キャリアの研究

【転職/キャリアアップ】今さら聞けない 受ける資格の選び方

受ける資格の選び方

今さら聞けない 受ける資格の選び方

資格が取れたら、スタートライン!

資格は、その仕事をする上で、知識と技能を証明するものでもあります。資格の勉強を、面白みをもってできる、勉強するたびに新しい発見があるなど、内容に興味・関心があることも、資格の勉強が長続きする秘訣でもあります。

また、どんな資格を受けようか検討する前に確認したいのは、資格よりも経験の方が、一般的には重要視されるということです。つまり、資格が取れたとしても、それは、スタートラインに立ったに過ぎません。けれども、資格を取得するということは、目標に近づく“切符”を手にするということでもあります!

資格取得と言っても、それなりに、多くの時間と労力、コストがかかります。人気やイメージでなんとなく受ける資格を決めるのではなく、賢く、受ける資格を吟味していきましょう。

(1)まずは、資格について知っておこう

国家資格

国家資格
国家資格は、国が認定する資格で、その効力によって大きく3つに分類できます。
「業務独占資格」とは、その資格をもっていないと、そもそもの仕事ができない資格です。人材育成を目的に職能集団を形成し、切磋琢磨していく環境を提供してくれます。「名称独占資格」とは、能力の高さを証明する資格で、有資格者だけが名乗ることを認められている資格です。資格を持っていなくてもその仕事ができますが、知識や技術を証明するものとして役立ちます。最も代表的なものに技能検定があります。「設置義務資格」とは、特定の事業所に一定の割合で、配属が義務付けられている資格で、必置資格とも呼ばれています。

民間資格と公的資格

国家資格が国から認定される資格であるのに対し、その他、すべての資格は、民間資格です。国家資格との違いは、認定する主体が民間であり、民間団体や企業などが独自の基準を設けて実施、認定をしています。

その中でも、経済産業省や文部科学省などの官庁や大臣から認定された資格や検定のことを、公的資格といいます。

(2)資格を取る目的を明確にしておこう!

資格
試験によっては、資格の勉強にも忍耐が必要です。実際、私自身も、キャリアにプラスになると頭では理解していても、挫折やあきらめから、取得に至らなかった資格もあります…。今、振り返ると、先に述べた興味・関心がどれだけ高いか。また、資格を取得する“目的”が、明確かどうかが大切だったように思います。“目的”が明確で、取得に対する意思が強いと、忍耐強く、継続して勉強できます。そのため、「何のために資格を取得したいのか」を明確にしておくとよいでしょう。

ここでは、資格を目指す“目的”で、代表的なものを3つお伝えします。あなたが目指す理由で、近いものは、どれでしょう。

転職

求人を見ると、必要そうな資格が分かることもあります。
ただ、それまでの仕事と全く関係ない資格を取得して、転職する(キャリアチェンジ)には、20~30歳前半までと考えましょう。
仮に、30歳後半以降でそれを狙うのであれば、中難易度以上の資格(偏差値55~60以上)を狙うか、または、そもそも求人が多い職種に関連した資格を検討しましょう。これらは、比較的、年齢に関係なく転職できる可能性があります。実際、難易度の高い資格(資格偏差値60以上)を取った方の年代のピークは、30歳代~40歳代の方が多く、50歳代もいます。

また、業種や職種によっては、国家資格と民間資格に関係なく、スタンダードな資格が異なることがあります。そのため、特に、異業種への転職を目的にした資格取得は、どの資格が評価されるのか情報収集をじっくり行いましょう。

キャリアアップ

例えば、介護・福祉のようにキャリアパス(キャリアの道筋)と、必要な資格や職務とが、ある程度連動している場合、自分が進もうと考えるキャリアの方向性に合わせて、資格取得を計画しやすいといえます。

また、会社が推奨する資格が、その道しるべになります。
会社によっては、取得すると月に1,000円~5,000円などの資格手当が、上乗せされて支給されたり、合格した際にお祝い金が出るような場合があります。ただし、不動産業における宅地建物取引士のように、取得している方がほとんどな場合、昇進・昇格などのキャリアップには、ほとんど左右しないことになります。そのため、キャリアップが目的の場合、希少価値がある資格をプラスするか、職務に関連した技能検定や言語やITなどのスキルを証明する民間資格などを組み合わせて取得するなどして、差別化を図る必要があるかもしれません。

知識や技能の維持、向上

業務に関連した資格は、資格自体が、その仕事をするために必要な知識が体系化されています。また、実技を課している資格試験や、技能内容を論述させるような資格試験があり、その多くが、職業のセンスの有り無しを、資格試験で点数化し、測ろうとする試験に変ってきています。

そのため、資格に対応した勉強は、その仕事をするだけのスキルを維持したり、その知識を更新したりするにも役立ちます。この場合、必ずしも取得が目的ではなくなってきます。当然、一通り資格を勉強するだけで、知識や技能の維持、向上の目的は達成できそうです。そうはいっても、長い人生にどんな風に役立つかわかりませんから、チャンスがあれば、取得まで目指して勉強しましょう。

(3)受ける資格をどう選ぶ?

資格を選ぶ

それまでのキャリアとの関連性

「あの人、資格ばっかりで頭でっかち…」なんて、くれぐれも言われないようにするには、どうしたらよいのでしょう?

やはり、それまでのキャリアと正反対のものを選ぶのではなく、それまでのキャリアとの関連性や興味・関心を考慮して、挑戦する資格を選ぶのがよいのではないでしょうか。その際、ご自身のキャリアにどんな資格がプラスされたら、どんなことができそうか、どんな道が開ける可能性がありそうかを検討します。

また、資格によっては、誰でも受けられるのではなく、ある一定の受験要件がありますので、取得を目指す前に下調べが必要です。具体的には、実務経験を求められるケースや定められた学歴や、大学、短大、専門学校、養成校などで、指定された科目などの履修が条件になっているケースも多いようです。例えば、一級建築士を取得する場合は、大学で建築学科を出ているか、実務経験がある、建築士二級を持っていて実務経験がある、などが必要となっています。

難易度と必要な勉強時間

当然のことながら、難易度が高ければ、必要な勉強時間も増加する傾向があります。
司法試験、公認会計士などの、最難関資格に必要な勉強時間は、5,000時間ともいわれています。その次に、高難易度の資格、例えば、税理士、司法書士、不動産鑑定士の場合は、数千時間以上。こういった、難関資格の受験者は、資格試験の勉強に専念している方も多いです。社会保険労務士、中小企業診断士などの中難度の資格では、1,000時間前後。行政書士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーにおいては、300~500時間で合格する人も出てくると言われています。

難関試験に合格するには、暗記やテクニックだけでは難しいのは言うまでもありません。本人の能力や、それまでの実務経験との関連性、大学の専攻などにより、勉強時間にも差が出てきます。例えば、司法書士の場合は、一般的に、3,000時間の勉強時間が必要と言われていますが、受験者の半分を法学部出身者が占めており、彼らの勉強時間は、約1,500時間と言われています。

仮に、サラリーマンが仕事をしながら、勉強が可能な時間を月に120時間(週に30時間)と仮定すると、サラリーマンが勉強できるのは、年間に1500時間前後です。合格までに必要な勉強時間が1,500時間を超える資格を、サラリーマンが目指した場合は、2か年計画になると、ある程度予測がつきますね。

いきなり高難易度の資格にチャレンジする以外にも、一派手前の資格を取得していく方法もあります。
例えば、土地家屋調査士の場合は、特定の資格を所有している場合、試験の一部が免除されます。特定の資格とは、「測量士」「測量士補」「一級建築士」「二級建築士」がありますが、比較的、容易に合格できる「測量士補」を取得してから、土地家屋調査士の試験に挑戦する方が多いようです。

コスト

こちらも、残念ながら難易度の高い資格には、それなりに費用がかかる傾向が…。
例えば、新司法試験を狙う場合、既修で2年、未修で3年は、法科大学院に通う必要があります。そのため、受講料でも年間100万円以上。場合によっては、予備校受講費が必要になります。また、公認会計士は、大学とのダブルスクールで取得する方が多いようです。つまり、大学の受講料とは別に、スクールの受講料として100万円は必要です。その上、その期間は、仕事することが難しいため、非常にコストがかかるのが実情です。

司法書士、社会保険労務士、中小企業診断士、行政書士、宅地建物取引士なども、資格スクールなどを受講すると10~30万円必要です。難易度によっては、残念ながら、一発合格できずに年数を重ねることもあります。そうすると、資格によっては、模擬試験費用、過去問題集の購入など、更に費用が掛かります。そこで、確実に合格を目指すのであれば、通信教育や独学でなく、資格スクールを受講することも有益です。

まとめ

どんな資格に挑戦するか、参考になりましたか?

検討する上では、資格の勉強に、どのぐらいの時間とエネルギー、お金がかかるのか、果たして本当に取得できるのか、といったリスクも合わせて考えておく必要もありそうです。私自身の経験を振り返ると、仕事に対する目標を実現できた要因は、“資格”を取得したことに依るところが大きいです。つまりは、チャンスを増やし、目標を実現する足掛かりに、“資格”は有効です

また、資格試験の勉強に慣れてくると、勉強方法や問題を解くテクニックなども向上していきますから、しり込みする前に、チャレンジしてみてもよいのではないでしょうか。