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【ドキドキ】おすすめ法廷映画(クラシック)5選

おすすめ法廷映画

【ドキドキ】おすすめ法廷映画(クラシック)5選

最近、法廷映画は人気がないのでしょうか?あまり、見かけなくなったと感じるのは、気のせいかな。
ただ、「HIRO」、「リーガルハイ」、「99.9-刑事専門弁護士-」など、特に日本のドラマでは、題材としても健在。よく考えてみたら、近頃の法廷映画の傾向は、「基軸となるテーマ〇〇+法廷」が主流なっているように感じます。ここではあえて、ザ・法廷映画!のような、法廷劇をドラマとして、時に逆転劇として、あるいはミステリーとして、魅せる映画を中心にセレクトしてみました。結果として、クラシックになってしまった印象もありますが…。

キューティ・ブロンド

「LEGALLY BLOND」2001年、96分、アメリカ

裕福なお嬢様エル・ウッド(リーズ・ウィザースプーン)は、ミスキャンパスとして、大学生活をエンジョイしていたが、プロポーズを期待していたワーナー(マシュー・デイヴィス)には、振られてしまう。彼を追って、猛勉強の末、ハーバード・ロースクールに入学を許されたエル。元カレには優秀な同級生(もちろん髪はブルネット)の婚約者が早々にできていた。何のために入学したのか、打ちひしがれながらも、ちょっと斜め上をいく努力を続けたエルは、ついにキャラハン教授の弁護助手のひとりとして、実際の殺人事件の弁護に関わることになるのだが…。

え?なぜ、法廷映画にこの1本が?とお感じになった方もいたでしょう。いえいえ、原題をご覧ください。リーガリー・ブロンドですよ。
確かに、分類はコメディ、ガールズですが、物語後半の法廷シーンでは、法廷劇のおもしろさが描かれています。しかも、彼女独自の視点で、解決の糸口を見つけていくあたりも、法廷劇としても、ドラマとしても、おもしろい。法廷映画になじみのない方に、まずは入門的に、こちらの映画からいかがでしょう。
♯ ◇コメディ 、♯ ◇ガールズ

情婦(1957)

「WITNESS FOR THE PROSECUTION」1957年、117分、アメリカ

ロンドン。心臓病で退院したての老弁護士ウィルフリッド卿(チャールズ・ロートン)は、お金持ちで未亡人を殺害した容疑でレオナルド(タイロン・パワー)の弁護を引き受けた。レオナルドのアリバイを証明できるのは、妻クリスティン(マレーネ・ディートリッヒ)だけだったが、ある事情から証人として法廷に呼ぶのを諦めたのだが…。

『この映画をご覧になっていない方々のためにも、結末は決してお話しにならないように』と、最後にテロップが入るのですが、観たことのない方は、知識を入れずに見て欲しいです。
緊迫感とクスッと笑わせるエピソードもあり、2時間弱、最後の最後まで気が抜けません。法廷で繰り広げられる、老弁護士の弁論は、法廷映画の醍醐味なのですが、これが何を意味するのか…。残り7分の何重ものどんでん返しが見事で、オチを知ってみる2巡目が、これまた鳥肌ものでした。
♯ ◇サスペンス 、♯ ◇ドラマ

ザ・クライアント 依頼人

「THE CLIENT」1994年、121分、アメリカ

11歳のマーク(ブラッド・レンフロ)は、8歳の弟リッキーと隠れて森にタバコを吸いに行った。自動車に排ガスを引き込み、自殺を図ろうとしていた男に、車に連れ込まれてしまう。男はマフィアの弁護士で、殺害された上院議員の死体遺棄の場所を知っており、自分も殺されるから自殺するのだとマークに告白する。隙をみて逃げだしたマークは、泣きじゃくるリッキーを引きづり、物陰に隠れた。男は逃げ出したマークを見つけるのを諦め、結局、けん銃自殺をしてしまう。その夜、弟のリッキーが精神的に強いショックを受け病院に搬送される。一方、マークは身の危険を感じ、警察の事情聴取にも口をつぐんでいた。その頃、すでに、マフィアもマークの存在に気付き始めていた。一方、連邦検察官ロイ・ファルトリッグ(トミー・リージョーンズ)も、FBIとともにマークを追及する。マークは、自分と家族を守るため、警察の監視をすり抜け、偶然目についた法律事務所の戸をたたいた。やり手女性弁護士レジ―・ラブ(スーザン・サランドン)は、マークの全財産である1ドルで、依頼を受けることになったのだが…。

法廷サスペンスのベストセラー作家、ジョン・グリシャム原作。だから、おもしろいのかも!
演出にやや古臭さを感じるものの、その面白い原作を、テンポよくまとめ、それぞれ魅力的な役柄に仕上げている脚本も見事です。マークは賢く繊細な非行少年、弁護士のレジ―は過去の過ちから、弱い人を助けようとする強さと温かさがある、知事になろうとする野心家である連邦検察官から端役に至るまで、よく人が描かれています。

サスペンスとしても、依頼人マークと警察官、依頼人と弁護士、弁護士と検察官など、それぞれが互いの嘘を見抜こうとするやりとり、そして、後半は、マフィアから執拗に脅迫され、身の危険性も高まってゆく緊迫感があります。紆余曲折しながらも、そもそも、それまで大人を信用していなかったマークと、マークを自分の子どもと重ねる弁護士レジーとの信頼関係が、築かれていく過程も見どころの一つです。レジーとの出会いは、大人を信じられることを知ったマークにとって、大きな影響を与えたはずです。映画としては面白いと思うのですが、法廷がほとんど出てこないから、おまけですね。
♯ ◇ファミリー 、♯ ◇サスペンス 、♯ ◇ドラマ

真実の行方

「PRIMAL FEAR」1996年、131分、アメリカ

メディアにもてはやされ、裏で多少は強引な手も使う敏腕弁護士のマーティン(リチャード・ギア)は、大司教が惨殺された事件が注目を浴びると考え、血まみれで事件現場から逃走を図った容疑者アーロン(エドワード・ノートン)の弁護を無償で買って出る。アーロンは、路頭に迷っていたところを大司教に拾われ、父親同然であった大司教を殺すはずがないと無罪を主張するのだが…

被告が絶対的不利な状況の中、マーティンは助手と共に証拠集めに奔走し、決定的な証拠を見いだします。
マーティンは、弁護士として正しいことをしようと、多少強引な手を使ってでも依頼人の勝利を勝ち取ってきたようです。けれども、裏の顔を上手く使い分けていたつもりでいたのだが、いつしか自身もどちらが真の顔か、わからなくなるという皮肉が、最後の大どんでん返しとリンクします。この皮肉と、リチャード・ギアのやり手弁護士としての大人の余裕や自信との対比が、ますますこのドラマが重々しく心に響きます。どんでん返し映画としても逸品。
♯ ◇サスペンス 、♯ ◇ドラマ

十二人の怒れる男

「12 ANGRY MEN」1957年、95分、アメリカ

17歳になる被告の少年は、日頃から不良少年といわれ、飛び出しナイフで実父を殺した容疑がかけられていた。12人の陪審員達が、その殺人事件の審理を終え、陪審室に引き上げた。評決が終わるまで、うだるような暑さの陪審室に閉じ込められる陪審員たち。しかし、評決は11対1で判決が決まらない。判決は全員が一致しなければならないのだ。ひとり無罪を主張した8番(ヘンリー・フォンダ)は、状況証拠ばかりで、少年が有罪である証拠がないと主張した。3番(リー・J・コップ)が証拠を読み上げ、8番の説得により、皆で一つ一つ検証することになったのだが…。

ミステリーとしての推理自体は、近年の法廷映画やドラマと比較すると、目新しくはないかもしれません。しかし、事件のあらましも、全て陪審員達の討論から観客に理解させる脚本になっており、思い込みといった人間の心理が論駁され、状況証拠のひとつひとつを検証していくなかで、ひとり、また、ひとりと無罪に評決する陪審員が増えていき、観ているこちらも、次第に物語に引き込まれていきます。

そこに描かれる12人の陪審員達が、印象と言動が食い違う者、思い込みが激しく偏見を拭うのが難しい者、主張が異なる者同士でも冷静さを失わない姿勢、個性豊かに描かれてる秀逸な脚本が見事でした。狭い陪審員室だけで展開される、名もない陪審員たちの熱い討論は必見です。

『個人的な偏見を排除するのは難しい。しかも、偏見は真実を曇らせる』このヘンリー・フォンダのセリフが、偶然にも、今回紹介した5つの法廷映画、すべてに共通した言葉でした。ああ、やっぱり法廷映画っておもしろいなぁ~。
♯ ◇ドラマ